2015年4月1日水曜日

ひょっとこの話

以前、運動不足解消のためにジョギングをしていました。
近所の公園に行くと、同じように何人かはジョギングをしており、”みんながんばっているなあ”と関心しながら夜の公園を走ったものでした。
その中の一人に、ほぼ毎回見かける青年がいました。
彼は、帽子をかぶり視線を地面に落としながら、一定のリズムで同じコースを何往復もしていました。
私は、すぐ疲れて止めてしまうのですが、彼はいつ来ても同じように走っており、いつから来ていつまで走っているのかわかりません。
毎回いるのでちょっと気になって観察していると、走り方に特徴があるのを発見しました。
一定のリズムで”ひょこひょこ”走っているので、私は彼のことを”ひょっとこ”と勝手に名付けました。
雨の日も風の日も、ひょっとこはひたすら走り続けていました。

しばらくしてから、私は忙しくなりほとんど走ることがなくなってしまいました。
先日、公園の横を車で通っていると、見たことのある走り方が!
そう、ひょっとこでした。
彼の横を車ですれ違い様、横顔をちらっとのぞく帽子をと視線を地面に落とし、以前とかわらずひたすらランニングしていました。
私は思わず心の中で、”ひょっとこ、がんばれ”と叫びました。
なんだか懐かしく、ほっとした気持ちになりました。
また、今車に乗っている自分が恥ずかしくなりました。
彼の走る姿が、自分を初心に帰らせてくれる、そんな瞬間でした。

彼は今日もランニングを続けていることでしょう!

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