2015年4月1日水曜日

燃料電池(解答編)

どうでしたか?燃料電池のことを知っていないと難しかったかもしれませんね。

『最近、水素のもつ化学エネルギーを電極反応によって直接電気エネルギーに変える燃料電池の開発が進められている。ここでは、図に示すように水素-酸素燃料電池を考えてみよう。この電池では電解質に水酸化カリウム水溶液を用いており、負電極では水素の酸化反応
H2 + 2OH- → 2H2O + 2e- (a)
がおこり、正極では酸素の還元反応が起こる。この酸化還元反応のエネルギーが電気エネルギーとして取り出される。
以下の問いに答えよ。解答は有効数字2桁とする。
必要があれば以下の数値を用いよ。ファラデー定数 9.6 X 104 C/mol-1
燃料電池

図 水素ー酸素燃料電池の模式図。電極には触媒作用をもった多孔質の金属膜を用い、気体と水酸化カリウム水溶液が接触できるように工夫されている。

(1)正極における還元反応を、反応式(a)にならって示せ。

O2 + 2H2O + 4e- → 4OH-

(2)水素の燃焼反応の熱化学方程式は
H2(気体) + 1/2O2(気体) = H2O(液体) + 286kJ (b)
である。水素-酸素燃料電池で取り出すことのできる電気エネルギーが式(b)の反応熱と等しいと仮定したとき、この電池の起電力は何Vになるか。なお、1Vの起電力で1Cの電気量を取り出したときのエネルギーは1Jである。』

H2 + 2OH- → 2H2O + 2e- (a)
1/2O2 + H2O + 2e- → 2OH- (c)

(a)、(c)より2モルの電子が移動するとき(b)の285 x 103 Jの反応熱が生じるから、

2e- = 2 x 9.6 X 104 C

よって求める起電力をXとすると、
X x
2 x 9.6 X 104 = 285 x 103
X = 1.48 ≒ 1.5 V

まあ、普通の電池なみの起電力ですね。
ちなみにこれはと2003年の東大の問題[emoji:i-199]
それはそうと、反応式 H2(気体) + 1/2O2(気体) = H2O(液体) + 286kJ
を見ると、出てくるのは水
夏は水が蒸発して熱を奪うので、街が冷やされていいかも。
冬は道路が凍ってしまうかな。
すすもでないし燃料電池はわりといいと思いますけどね。

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