2015年4月1日水曜日

山田君8

しかし、山田君のやんちゃぶりは顕在でした。
��学期に入ると、私は山田君の鶴の一声で学級委員に選ばれてしまいました。
私の背後には山田君がいるのを知ってか、ある日担任の先生から呼ばれ、
「君がリーダーシップをとって、教室の風紀を正していこう、がんばろう」
と期待をかけてきました。
学校の先生が大変なのは十分理解できましたが、責任の一端を押し付けられているようで、
”勝手なことを言うなあ、こんな時だけ調子いいこと言って。”
と感じたのを思い出します。
確かに、背後に強い力があると教室をまとめるのは比較的楽でした。

時は過ぎ、2年生になるとクラス替えもあり、山田君とは別々のクラスとなりました。
さすがに、クラスが替わると一緒にいる時間はほとんどなくなり、平穏な中学生活となりました。
たまに学校で見かける山田君は、パーマにリーゼントで長らん姿とますます磨きがかかっていました。

ある日、放課後忘れ物を取りに教室に戻りました。
そして、教室を出て廊下を歩いていると、前方より5.6人のヤンキーグループが歩いて来ました。
思わず引き返そうか迷いましたが、逃げるのも情けないので堂々とすれ違うことにしました。
何も無いことを祈りつつ、ドキドキしながら無事すれ違うことができたと思った瞬間、後ろから、
「おい、お前、山田の仲間やんけ。ちょっと待てや。」
ヤンキー5,6人に囲まれ、最悪の事態となったのでした。

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