お話シリーズです。
今回は、私が中学校の時の友達だった山田君との思い出についてお話してみようと思います。
中学校の入学式の日、気体と不安を抱きながら自分の教室に入り辺りを見渡すと、ほとんど知り合いがいませんでした。中学校は4つの小学校から集まってきており、私の小学校は半分が別の中学校へ行くため、大変少なく弱小勢力でした。教室では、何人かのやんちゃな子が騒いでいましたが、私の席はたまたま一番後ろだったことも幸いして、目立たないよう大人しくしておりました。中学校生活を楽しく過ごせるかは入学時が肝心で、入学早々不良に目を付けられたら最後、ずっといじめられてしまうことを本能的にわかっていたのだと思います。
しかし、そんな私の不安をいとも簡単に現実のものにしてくれたのが、山田君でした。
山田君は私の列の隣の後ろに座っており、やばそうなオーラを出しまくっていました。
”最悪や、絶対絡まれないようにしよう”と防衛反応が働いたのも束の間、
”おい、お前。何者や。どっから来てん。”
早速絡んできたのでした。
それから、入学式が開かれる体育館へ行くまでの間、ずっと絡み続けられ、ついに我慢の限界に達した私は、
”うるさい、どっか行け”
と反抗してしまったのです。
”なんやと、誰に言ってんねん。明日覚えてろよ”
保護者が見守るおめでたい入学式の中、一人絶望の縁に立っているようでした。
そうして、想定しうる最悪のケースでの中学生活が始まったのでした。
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